コンクリートへの転写技術 不二開発系が新事業
2021年8月6日
土木建設を手掛ける不二開発(埼玉県久喜市) の関連会社、トーシン (さいたま市)は高強度で軽量なレジンコンクリートに写真やイラストを転写する技術を活用した事業を立ち上げる。
同県蕨市の道路整備にも採用された実績をアピールしつつ、広い分野での利用を目指す。
トーシンは3月、転写技術について特許を取得した。
光を通しやすいバックライトフィルムに写真を印刷。
その上に型枠を設けてレジンコンクリートの原料を流し込むと、固まったコンクリートに反転した写真が転写される。
プリンターで印刷できる写真やイラストであれば、転写が可能。
2020年には蕨市の路面に整備された中山道の宿場町や地図のイラストを同技術を使ってリニューアルした。 耐久性や低コストで制作できる点が評価された。
同技術は、合成樹脂を用いたレジンコンクリートだけでなく、 繊維強化プラスチック(FRP)にも同様に生かせる。厚さは薄いものだと5ミリメートルほど。
光を通すため「ステンドグラスのようにもなる」(トーシンの藤野勲次社長)という。
今後、この技術を活用した新商品開発に向けて幅広い業種との連携を模索したい考え。
同技術はこれまで住宅の屋外水場の装飾や表札などに採用されている。